自覚症状としては何が?
患者さんが自覚症状を感じる場合としては、肛門の近くにポリープができたことにより血液のまじった便が出たり、粘液のようなものが付着した便が出たりすることがあります。大きなポリープが肛門の近くで大腸をふさいでしまい腸閉塞を起こすことや、ポリープ自体が肛門から飛び出すことも稀ですが、あります。
大腸・肛門の主な病気
大腸ポリープ
大腸のなかにできたいぼのようなもので中にはがんに移行するものもあります。
初期には自覚症状もなく便潜血も陽性にならないこともあるため早期発見のために大腸内視鏡で定期的な検査が必要です。
過敏性腸症候群
お腹の痛みや調子が悪く排便障害(下痢・便秘)が数カ月以上続くときに考えられる疾患の一つです。
大腸に腫瘍や炎症などの疾患がないことを確認し診断を進めます。
薬物治療の他に生活指導・食事指導を行います。
クローン病
小腸・大腸を中心とする消化管に慢性的に炎症を起こし、びらんや潰瘍が生じる疾患です。
クローン病の原因は不明で根本的治療がないのが現状です。
しかし患者さん自身が疾患について正しく理解し、治療を続けていけば「寛解」状態になり維持することが可能です。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に炎症が起きてびらんや潰瘍が生じる原因不明の慢性の炎症性腸疾患です。
主な症状としては腹痛、血便、発熱などがあります。
上記のクローン病は口から肛門までどの部位にも炎症が起こりますが、潰瘍性大腸炎は大腸に限局しているのが特徴です。
診断には大腸カメラでの検査が必要です。根本的な治療はないのでお薬やその他必要であれば特殊な治療を行う必要があります。
虚血性腸炎
大腸の血管が一時的に閉塞してしまうことにより大腸粘膜がびらんや潰瘍を起こしてしまう病気です。
腹痛、下痢、血便などの症状を認めることがあります。
動脈硬化、便秘、その他ストレスや食生活の乱れなどが原因となります。
血液検査や大腸カメラで診断します。症状が強ければ入院が必要ですが、軽度であれば自宅安静で数日で改善することが多いです。
大腸がん
日本人のがんでの死亡第2位(2017年、男女計)となっています。
早期では症状に乏しく進行してくると血便、便秘と下痢、便が細い、残便感、お腹の張り、貧血などの症状が出てきます。
早期発見のために40歳以上は年に1回のがん検診を受けましょう。
痔
痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻の3つのタイプがあります。
いぼ痔は肛門の内側にできる内痔核、外側にできる外痔核の2つがあります。
内痔核には痛みはありませんが外痔核には痛みを伴います。
肛門の中のくぼみに細菌が感染し化膿した膿がトンネルを作って貫通したものが痔瘻です。
当院では内服や塗り薬で治療を行います。